当寺所蔵「鳥居元忠公」肖像画が戻ってまいりました。
本年3月28日に
東京都江戸東京博物館にて始まり
京都府京都文化博物館
福岡市博物館 と巡回し 10月4日まで開催されていた
「徳川家康没後400年記念 大 関ヶ原展」に貸出し致しておりました。
多くの方に関心をもって頂き
東京都江戸東京博物館では開催二日目で来場者数が1万人をこえたと、
話題になったぐらいです。
「鳥居元忠公」は徳川家康の重臣で
関ヶ原の戦いの前哨戦である「伏見城の戦い」で
重要な役割を果たし討ち死にした武将です。
元忠公の活躍の結果、家康は関ヶ原の戦いを有利すすめられ
ついには徳川幕府開幕にいたります。
そのため家康は元忠公を「忠臣の鏡」とし
江戸城に元忠公の遺物を江戸城に納めて
大名たちに元忠の忠義の心を偲ばせました。
当寺は江戸時代の中頃にその元忠公の子孫の大名「鳥居家」の帰依を受け
それ以来菩提寺として鳥居家累代の御霊をお護りしております。
その関係で多くの鳥居家関連資料を所蔵しておりますが、
「鳥居元忠公」をこれほど多くの方々に御高覧頂いたのは
初めてのことです。
(昭和以前はごく一部の方しか眼に出来ないものでした。
また保安保全のため、当寺でも通常一般公開は致しておりません。)
鳥居家はその後
当寺の所在する壬生において
近隣の諸藩に先んじて藩校を置き
蘭学を取り入れて先進的な文化を優遇し
その結果
壬生藩では江戸末期、全国的に見ても早い時期に
人体解剖や天然痘の予防接種が行われ
当地は特異で希な文化圏となっていきます。
さて、
また別の視点からみれば
「表具 表装」のありようがまた大変に凝っていて趣あるのが
この元忠公肖像画の面白いところです。
金具 裂地 いろいろ特徴がありますが
特に天地の部分の裂地「佛手柑」が興味深いです。
仏手柑自体が面白い果物!
合掌する両手に見立てて「仏の手」と美称されるこの果実は
寺院にも縁が深いのです。
「佛手柑」の裂地の写真はこの肖像画の天地の拡大写真
(肖像画のお姿の上〜〜の方なのでお姿の写真には写っていません。)
果物の「佛手柑」はWikipediaからお借りしました。